水面の写り込み(印旛沼)

湖面に映る葦の群れを描きました。
葦の描写に、スクラッチ技法を使っています。
梅雨らしさを演出するため、
できるだけ地味な色を使いました。

簡単なスケッチ

鉛筆で、輪郭だけをスケッチします。
明暗は描きません。

ファーストウォッシュ

空の部分に水をスプレーし、
滲むところと滲まないところを作る。
空から薄い色で描いていきます。
白い建物、遠くの湖面は塗り残しておきます。

遠景を描く

対岸の林や、遠くの湖面を描きます。
遠景なので薄く描きましょう。
深緑、紫、黒など、2色以上を使って深みのある色にします。
小さいけれどある程度細かく描きます。
白い電柱や柵などは、ホワイトで最後に描きます。

葦を描く

主役の葦を描きます。
くすんだ黄緑、深緑、紫、黒を使って、
濃い目に葦を描きます。
乾いてしまう前にプラスチックカードのような
硬いもので引っ掻いて(スクラッチ)葦の茎を描きます。
うまくスクラッチするコツは、
絵の具の濃度を濃いめにすることと、
乾く寸前に、スクラッチすること。
細いパレットナイフ、筆のお尻、
クレジットカードのカドも使えます。
葦が乾く間に右側の水草を
豚毛の筆でスタンプしました。

参考写真
スクラッチの参考画像。絵の具が乾く寸前にカードで絵の具を掻き取ります。
力を入れずに、表面を軽く引っ掻く感じで。

湖面と映り込みを描く

ごく薄い色で湖面を塗り、
乾かないように水をスプレーして、

湖面が乾く前に
葦の映り込みを鈍いグリーンや黒で描きます。
葦の根元に絵の具を置き、
画面を立てて絵の具を下に向かってぼかします。
程よく流れたら、さらに暗い色を葦の根元に追加ます。

画面を傾けて絵の具を流し、水面の写り込みを描きます。
画面を立てて、絵の具を流すようにして、
下に向けてぼかします。

(絵の具が乾く前に)さざ波を薄い紫で描き、
さざ波に沿って地色を筆で吸い取ります。
(リフティング)
穂先がまとまるくらいの湿り具合にすると、
上手に吸い取ることができます。

細部を描き加えて完成

水彩画「梅雨の印旛沼」梅雨空の湖面に映る中洲の葦
Watercolor painting "Lake Inba in the rainy season" Reeds on the sandbar reflected on the lake surface during the rainy season sky

遠景の白い杭やフェンス、明るい葦の葉をジョンブリアンで描きます。
白だと目立ちすぎるので、ジョンブリアンで描きました。
写り込んだ白い葉っぱや、手前の岸の草なんかを描いて完成です。
絵がくどくなるので、細部に手を入れるときは描きすぎないようにしましょう。

葦の根元。ホワイトで細部を加筆。
The base of the reed. Add details with white.
根元に茎や写り込みを明るい絵の具で描きます。
不透明なジョンブリアンを使っています。

Youtubeに動画があるので、参考になさってください。
長いので、再生速度を2倍にすると見やすいかも。

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